読書メモ: 7つの習慣

内定者課題で 7つの習慣 という本を読みました。

いわゆる自己啓発本です。 タイトルの印象では、QOLがあがるような習慣教えるぜ!みたいなノリかと思ってたんですが、『人生の成功』に関心をおいた割と重い話でした。

個人的に、自己啓発本はあまり好きではありません。

知識ではなく、その人が行き着いた結論(知恵)を教えてくれるものだからです。 知識は万人共通ですが、知恵は個人に最適化されるべきものだと思います。『有名なAさんが〜して上手く行ったからみんなそうしたほうが良いんだ』みたいな価値観には同調できませんし、仮にそうするにしても自分に適合するようなものを教典として1冊2冊読む、程度で済ませるべきものだと思っています

ただ、7つの習慣は『至極当然なんだけど、できりゃ苦労はねえんだよ』みたいなことをそれでもやれ!というお叱りをくれる本でした。

総じて満足だったので、こうしてまとめてみています。

要約

とても長いので、ざっくりと要約します。

ゴール

本書は、人生を豊かにするための『7つの習慣』を教えてくれる本ですが、これらはすべて『相互依存』状態を作るためのアプローチです。

私達を「意思決定の関心・主体はどこにある?」という視点で分類したときに、以下の3つの状態に分類できます

  • 依存 := 他者が主体 「◯◯くんがやってたから、ぼくもほげほげした」
  • 自立 := 自分が主体 「おれがやりたいからほげほげした」
  • 相互依存 := 私達が主体 「私達にとってベストだからほげほげした」

本書では、この『相互依存』状態を目指すべきゴールと位置づけています。 『7つの習慣』によって、依存状態から自立状態へ、自立状態から相互依存状態へ至ることを目指します。

依存状態

依存状態にある人は、発言・行動が他者ベースになります。

自分で意思決定をしないのは楽ですが、どういう人生を歩むかは運ゲーです。 (暗黙的に)求めてたゴールに達することが 偶然 できるかもしれないし、基本的にはできない。

あるいは、問題が起きた時、主体が他者なので、愚痴(◯◯くんが〜してくれないから。。)を言って終わります。

自立状態

関心が自分に移る(自立状態に至る)と、少なくとも自分が求めている人生のゴールに向かって歩くことができます。

また、他者ベースの問題が起きた時、愚痴を言うのではなく、解決のために自分がなにができるのかを考えて行動します(◯◯くんが〜してくれないなら、どうすれば〜してくれるだろうか or どうすれば〜してくれなくても良くなるだろうか)。

相互依存状態

自立状態は効果的ですが、他者と協力することでバリューを増やせます。 効果的に他者と協力して、価値を増やせる状態が相互依存状態です。

目標が高ければ高いほど、他者と効果的に協力することが不可欠になります。

第1〜3の習慣: 自立状態の獲得

まずは、3つの習慣によって自立状態を獲得します

  1. 主体性 : 関心を 自分 に置く癖を作れ
  2. 終わりを思い描くことから始める : (自分主体で)ゴールを設定する癖をつけろ
  3. 最優先事項を優先する : ゴールを達するためのセルフマネジメント、時間ベースではなく優先度ベースで管理しようね

という内容です。

僕たちの時間やら集中やらは限られているので、自分が影響を与えられる対象(本書では影響の輪の内側と呼んでいます)にフォーカスします、影響外のことにいくら時間や熱量を使っても無駄ですし、もったいない。

第4〜6の習慣: 自立状態の獲得

自立状態に達したら、4-6の習慣で相互依存を目指します。

  1. Win-Winを考える : 関心を 自分&相手 に置く癖を作れ
  2. 理解に徹し、そして理解される : 相手を知れ
  3. シナジーを生み出す : 相手と強調して、より高いバリューを

自立した・成熟した個人同士では、協力してより高い効果を目指せます。

例えば、議論すること。自立した個人同士は、普段から信頼関係を築き、関係性を保ったまま、ダメなものをダメと言い、結論の質を高められます。


これらの6つの習慣によって、『自分で人生を設計して、他者と協力することでより高い目標を達すること』ができるようになります

第7の習慣: 自立状態の獲得

7つ目の習慣: 「刃を研ぐ」ではこれらとは別に自己研鑽の話が書かれています。

基本的に7つの習慣でやろうとしていることは、『意思の力』で本能に打ち勝ち、習慣化して自分を高めて行こうぜってものなので、しんどいです。難しいです。 そのしんどいことをやっていくために、自分磨きが欠かせません。

肉体・精神・知識・環境のすべての面から自己研鑽することで、6つの習慣を定着させやすくします。

感想

自立の話題(第1〜3の習慣)に関しては、正直当たり前だろって内容が多かったんですが、冒頭にも書いたように『そりゃそうだけど、できりゃ苦労はねえんだよ!』ってことを、いややるんだよ!!ってお叱りをくれるものでした

読んで日が浅いこともあってか、日々の『こうしたほうが良いんだけど、意志力が。。。』ってシチュエーションで、この本が浮かんで、やれよ俺みたいなスタンスが取りやすくなっていてとても助かってます。

一方、相互依存の話題(第4〜6の習慣)は、主張自体は分かるけど、あまり実感がないというか。。

自立した人間同士が、互いのシナジーをひきだして、より高い効果を得るみたいな話をひたすらするんですけど、これが難しい。

というのも、協力する自己と他者が自立・成熟していることが前提になっているんですよ。

学生の身からすると、(自分も含め)学生がどれだけ自立・成熟できてるかって話なわけで。理屈ではそうだけど、それで上手くいくイメージがあまりわかない。みたいなことが多かった印象です。

とはいえ、社会人になる上で心がけるべきスタンスみたいなものが見えたので、勉強になりました。

実践

ミッションステートメントと自己宣誓書がとても良さそうでした

  • ミッションステートメント: 私はこういう人間である!という目指すべき人物像を文章化したもの
  • 自己宣誓書: ミッションステートメントにしたがった具体的な行動例

普段の行動って割と頭で考えてるわけじゃないなーと思うんですよ。反射してるだけというか。

もちろん意思は入るんですけど、どちらかと言うと行動してから後悔して、こういう時はこういう行動をすべきみたいな自己行動パターンが意思によって上書きされて、結果的に意思に沿った行動がされていくイメージ。

本書で言及があった自己宣誓書を習慣化することで、この自己行動パターンの上書きを効果的に行えそうだな〜と思いました。

自己宣誓書では、事前に自分がミッションステートメントを破りそうなシチュエーションを想像して、その時の行動パターンを書いておきます。

すなわち、 行動① → 後悔 → 行動が変わる → 行動② と行っているものを 自己宣誓書 → 行動が変わる → 行動① という形にできます

『理屈ではわかってるんだけど、違う行動をとってしまう』という意思力の弱さに対抗できる普遍的なテクニックなので、実践したいなーと思いました。

こういう用途で自分専用の Slack ワークスペースを作って活用しているので、定期的に書くつもりです

最後に

良い本でした。

自己啓発本特有の押しつけ感というか、鬱陶しさもあるにはあるんですけど、話題がとても広いので学べるところも多いと思います。

もし読んだことがなければ、部分的に学びになるところは必ずあると思うので、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。